扁桃腺の病気
・扁桃肥大
扁桃が肥大して通常時よりも大きくなった状態で、扁桃肥大と咽頭扁桃肥大があります。
子供の扁桃は大き目でも不思議ではありませんが、身体の免疫力が弱い時期なので、炎症が起こったり、周囲の器官を圧迫して種々の影響を及ぼすことがあります。
ものが飲み込みにくい・呼吸がしにくい・鼻がつまる・いびきや無呼吸などの症状があり、結果として滲出性中耳炎による難聴など様々な合併症を引き起こします。
・扁桃(腺)炎
咽頭痛で頻度的に最も多い扁桃の炎症です。
子供だけでなく大人も扁桃の炎症を時々繰り返すことがあります。通常は高熱が出て激しい痛みが伴い、この状態を習慣性扁桃炎と呼び、通常の風邪薬では治りません。
重症化すると症状として、扁桃炎はほとんどが両側ですが、どちらかに偏り、腫れてひどい痛みが生じ、口が開きにくくなり、食事がのどを通らなくなることがあります。
このように扁桃の周囲の軟らかい組織に炎症が及んで化膿してしまった状態を扁桃周囲炎といい、更に進行すると扁桃周囲膿瘍となり、切開して排膿する必要があります。呼吸困難による死亡例も報告されています。食べる(飲み込む)のがつらいので、点滴で脱水状態を緩和し、抗生物質やステロイド剤を投与する必要があります。
一般内科医では判定できず、我々耳鼻咽喉科医の診察が必要です。