航空性中耳炎

航空性中耳炎とは、飛行機に乗っていると耳鳴りしたり詰まった感じになったりする、急性中耳炎の一種です。

充血した鼓膜が内側にへこんだままになっていたり、鼓膜の奥に液がたまったりします。中耳（鼓膜の内側）には少量の空気が入っており、耳管と呼ばれる管で咽頭部とつながっています。通常、この耳管は閉じていますが、開閉を繰り返して空気が通ることによって外部の気圧と中耳の気圧を一定に保ちます。

しかし、飛行機などの離着陸時の急激な気圧変化によって耳管が閉じたままになり、鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じて起こります。

治療は通常の中耳炎に準じて鎮痛消炎剤や抗生剤の内服、耳管から空気を入れる「通気療法」が主体となります。

状態によっては鼓膜に小さな穴を開け、中の液を抜き取ることもあります。飛行機に乗るたびに繰り返し起こす人や治りにくい場合は、耳管機能に問題があることが多く、副鼻腔炎などの感染症や花粉症などのアレルギー性疾患が原因となっている場合があります。稀にですが上咽頭に腫瘍があり、耳管を塞いでいる場合があります。
予防法として、唾を何回も飲み込む、アメを舐めておくなどがあります。あくびをすることも効果があります。
飲酒は耳管周囲の粘膜を腫らせ、眠ってしまうと唾を飲み込む回数が減るために、お酒を飲んでの居眠りはなるべく避けることをおすすめします。

耳の詰まりを感じた時は、口を閉じた状態で鼻をつまんで鼻に軽い圧力をかけ、息または唾を飲み込む「耳抜き」をすることでかなりの部分は防げますが、逆に圧力をかけ過ぎることは危険ですので注意して下さい。「耳抜き」を試してみても上手く出来ない時は無理は禁物です。

風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの症状がある人は予め治療をしておくことが重要です。